りんどうの会~がん患者遺族の会・佐賀~

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妻に捧げるレクイエム=21=

2014/02/10

人は何時か死ぬ(独り言)

がん患者とその家族にとって一番辛いのは、迫り来る死との闘いです。

死ぬ事への恐怖や、生きる事へのこだわりが、心を暗くしていきます。

人は何時か死ぬんだ。

その思いに達して死を恐れない事が、ガンとの闘いに勝つ最後の手段でした。

そして、この場合の勝ちは、生きる事ではなく生き抜く事だと気づかされました。

 

生き抜く事と一言で言っても、現実には難しい事です。

何をすればいいのか、何が生き抜く事なのか、その答えは人それぞれに違います。

私は、妻の思いの通りに生きてみようと思いました。

私はサポートする事しか出来ませんから、

妻がしたい事、やってみたい事を援助するしかありません。

 

普通の生活をしたいという妻の切実な思いに応える事にしました。

その為には、これ以上抗がん剤による治療を続ける事は出来ないと思いました。

別の抗がん剤と言う選択肢もあったのですが、

全ての治療を止めて、普通の生活に戻る決心を妻はしたのだと思います。

美味しいものを食べて美味しいと感じたい、その思いが一番強かったようです。

 

今でも、この時に抗がん剤を止めた事を後悔していません。

その事は、この後に書き綴っていきますが、残りの日々を妻は精一杯生きてくれました。

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