2014/03/30
どうしようもなく
君の命が終わったことは、頭の何処かで理解していた。
でも、心の何処かでは、それは嘘なんだ
君は寝ているだけなんだと思いたい気持ちが揺らいでいた。
ただ君だけを
ただ君だけのことをどう受け止めたらいいのか
複雑な心
とってもとっても悲しいのに
どうしてこんなに静かに君を見ているのだろう
悲しいという感情が全身を包みながらも
何処かに苦しみから開放された君のことを
ホッとした気持ちで見ている僕がいる。
何なんだろう。
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2014/03/27
間に合わなかった息子
一番辛かったのは息子だろうね。
明日は君に会えると思って、羽田空港で最終便を待っている時に
君の訃報を聞くことになってしまったんだね。
どんなにか辛い思いで飛行機に乗ったことだろう
息子の気持ちを思うと言葉が出ない。
そして、それは義兄も同じだったろうな。
名古屋で深夜バスに乗る前に訃報が届いたんだからね
判っていたこと
君の死期が近づいていたことは判っていたけど
こんなに早くその時が来るとは思わなかった。
意識が混濁しても、10日から2週間は生きていると聞いたんだ。
だからもう少しは君の傍にいることが出来ると思っていたのに。
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2014/03/24
第2章を始める前に
ある時妻がぽつりと言った言葉があります。それは
「私は貴方によって生かされる」という言葉です。
その時は意味が判らず、聞き返しも出来なかったのですが、
こうやって思い出を綴っていてその意味が判るような気がします。
ここまで、妻との最後の約3年間の思い出を書き綴って来ましたが、
こうやって書き綴っている時には
その時々の妻の顔や息づかいまでもが蘇って来ます。
妻が言っていた「生かされる」という意味ではないのかもしれませんが
ここに記憶として妻は生きているような気がします。
時間が全てを解決するという言葉があります。
いろんな場面でよく使われる言葉です。
周りの方々も「もう一人に慣れたね」と声をかけて下さいます。
しかし、妻を亡くした悲しみは薄らぐことはあっても消えることはありませんし
ましてや慣れることもありません。
遺族の心には、深く悲しい傷が何時までも残っています。
しかし、何時までも悲しんでばかりいるわけにもいきません。
私も生きていかねばなりませんし、
私が悲しんでばかりいたら、妻も辛いと思います。
第2章では、妻が亡くなってか一周忌までの、私の思いや出来事を綴っています。
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2014/03/21
その時
電話で直ぐ来るようにと言われて、娘と病室に駆け込んだ。
その時に君は逝った。
まだ声は聞こえるから話しかけて・・と言われたが
君の名前を呼ぶだけで声は出なかった。
君の身体はそこにあるのに、君がいないなんて。
午後7時20分(独り言)
何かが起きたんだ、何が起きたんだろう。
茫然として考えがまとまらない。君が死んだ。
その事実がまだ僕の者になっていない。
だって、君の身体はそこにある。
返事も無く呼吸もしていない。何故なんだろう。
君が死んだ。
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2014/03/18
間に合った娘
29日にお見舞いをする事で子ども達とも打ち合わせていた。
何故か娘は1日早く佐賀に帰って来た。
虫の知らせか娘の感か、
一日早く帰って来た事で、娘は君が生きているうちに面会することが出来た。
君のその時に間に合った。
その日の夕方
28日の夕方に娘と病室に行った。
夜には息子も帰って来ることを告げたら
確かに君はうなづいてくれた。
君の声を聞くことは出来なかったけれど、僕の声は届いたんだよね。
でも、それから2時間後に君は帰らぬ人になった。
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2014/03/15
涙
その日の帰り際だったと思うけど
緩和ケア病棟の廊下で看護師さんに声をかけてもらった。
ここは患者さんのケアだけでなく
家族の方のケアもしてますよ、相談して下さい。
嬉しくてまた泣いてしまった。
看護師さんも涙ぐんでいた。ありがとう。
弱音
君が始めて弱音を吐いたのは、26日の朝だった。
洗面を済ませた後で身体を動かす事が出来ず
ベッドに運んで欲しいと言った。
抱きかかえた君はとても軽く、黄疸は全身に広がってきていた。
この日から君は食事をしなくなった。
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2014/03/12
帰り道
病院からの帰り道は
思わず知らずに沈んでいたんだろうね。
「声をかけて目が合う時は笑っているけど
それまでは泣きそうな顔だったよ」って言われてしまった。
僕のために、もっと沢山の時間を生きていて欲しい。
黄疸
君に異変が現れて来た。
眼底に黄疸が出始めて、腫瘍マーカーが跳ね上がった。
23日に主治医から呼ばれ
間もなく意識が混濁するので近親者を呼ぶように言われた。
不覚にも僕は涙ぐんでしまい、君に怒られた。
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2014/03/09
最後の外食
君が緩和ケアに入院した事は、義父さんには言わなかったので
義父さんのお見舞いにと外出したのが最後の外出になったね。
偶然だったけど、父と最後に食事をしたレストランが
君とも最後の食事場所になってしまったね。
少しづつ
君の体力が少しづつ弱っていっている事は判っていたよ。
病室に行ったあと、君は何時も見送ってくれたけど
その歩く早さや距離の変化は明らかに違っていた。
君との時間が残り少なくなって来ている。
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2014/03/06
緩和ケアに入院して
入院すると不思議なほどに君は元気になった。
暖かい部屋、好き嫌いが言える食事。
病人とは思えないほど元気に明るくなった。
春になったら一度退院しようねと話ししていたね。
ユリも何回かお見舞いに行って、じゃれていたね。
正月は自宅で
正月は帰省した娘と三人水入らず。
お見舞いに頂いたお肉や僕が作ったスープも
しっかりと食べていたよね。
幸せな時間が流れて行って、本当に君が病気であることさえも
忘れさせてくれるそんな素敵な最後の正月だったね。
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2014/03/03
入院の決意
君の病気のため、義父さんは介護施設で生活してもらっていた。
心配するから顔を見せたいという君を乗せて
介護施設に向かう時に
緩和ケア病棟から病室が空いたことの連絡があった。
義父さんを見舞った後の帰り道で入院を決断したね。
ホスピスへ
緩和ケア病棟は、他の病棟とは違った雰囲気を持っていた。
病棟全体が静かで、スペースにゆとりがあって、明るかった。
病室は個室で家族も泊まる事が出来た。
君の希望で面会禁止にしてもらったね。
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