りんどうの会~がん患者遺族の会・佐賀~

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みんなの投稿

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妻に捧げるレクイエム=25=

2014/02/22

珈琲カップ

その旅先で偶然に立ち寄った窯元で、湯呑みを2個もらったね。

後日、その窯元の個展で珈琲カップを買い求めたけど

今では、特別の時だけ使っているよ。

君との思い出が詰まりすぎているカップだから

大事に使っているよ。

 

定期検診

抗がん剤を止めてからも

4週間ごとに外科と腫瘍内科の検査は続いていたね。

血液検査での腫瘍マーカーのチェックと対処療法だけ。

でも、僕は必ず君と一緒に検査の結果を聞いて

一緒にお昼ご飯を食べると決めたんだ。

妻に捧げるレクイエム=24=

2014/02/19

君の誕生日

君の59歳の誕生日、最後の誕生日。

カラオケに行ったような記憶があるけど。

身体は元気でも、

この頃から声を張り上げることがきつくなり始めて

もしかしたらこの日が最後のカラオケだったかもしれないね。

もう一度一緒に歌いたいな。

 

最後の旅行へ

君との最後の旅行は7月だった。

君が当てた武雄温泉宿泊券。

その昔、天皇陛下がお泊まりになったという部屋に泊まったね。

きっと神様のプレゼントだったんだよね。

玄関先でのツーショット。

その時の写真が今でも僕の傍にあるよ。

 

IMG_0029

妻に捧げるレクイエム=23=

2014/02/16

いつも一緒に

春も過ぎる頃には、

髪の毛を除くとほとんど元の状態に戻っていた。

一緒にいろんな所に出掛けたね。

買物、食事、映画、カラオケと。

君と一緒の時間を何よりも大切にすると決めたんだ。

 

一人旅行

5月になると以前から行きたがっていた京都にも行ったね。

結婚して初めての君だけの旅行だった。

娘とも友だちともゆっくりとした時間が取れたと

君は言っていたね。

でもね、

一人で留守番している僕は、少し寂しかったたんだ。

妻に捧げるレクイエム=22=

2014/02/13

抗がん剤よさらば

平成22年2月18日が最後の抗がん剤治療だったね。

肺と肝臓にガンがある以上は

死に向かって歩き出した日でもあったね。

でも何処かにホッとした気持ちがあったのも確かだった。

君はこの日から344日間を生き抜いた。

 

セカンドオピニオン

この頃に放射線治療の情報を得て

セカンドオピニオンとして熊本の放射線病院に行ったね。

長い時間待たされた後で、結局は君のガンには効果が期待出来ないと言われ

わずかな希望も消えてしまった。

菜の花が咲いていたね。

妻に捧げるレクイエム=21=

2014/02/10

人は何時か死ぬ(独り言)

がん患者とその家族にとって一番辛いのは、迫り来る死との闘いです。

死ぬ事への恐怖や、生きる事へのこだわりが、心を暗くしていきます。

人は何時か死ぬんだ。

その思いに達して死を恐れない事が、ガンとの闘いに勝つ最後の手段でした。

そして、この場合の勝ちは、生きる事ではなく生き抜く事だと気づかされました。

 

生き抜く事と一言で言っても、現実には難しい事です。

何をすればいいのか、何が生き抜く事なのか、その答えは人それぞれに違います。

私は、妻の思いの通りに生きてみようと思いました。

私はサポートする事しか出来ませんから、

妻がしたい事、やってみたい事を援助するしかありません。

 

普通の生活をしたいという妻の切実な思いに応える事にしました。

その為には、これ以上抗がん剤による治療を続ける事は出来ないと思いました。

別の抗がん剤と言う選択肢もあったのですが、

全ての治療を止めて、普通の生活に戻る決心を妻はしたのだと思います。

美味しいものを食べて美味しいと感じたい、その思いが一番強かったようです。

 

今でも、この時に抗がん剤を止めた事を後悔していません。

その事は、この後に書き綴っていきますが、残りの日々を妻は精一杯生きてくれました。

妻に捧げるレクイエム=20=

2014/02/07

何のために

この頃から抗がん剤治療を続けるかを迷い始めたと思うよ。

味のしない食事、触れただけで痛い指先、治らない口内炎。

ガンに負ける前に副作用に負けてしまいそう。

なんのために頑張っているのか判らないと

君は言ったね。

 

情報が少ない

抗がん剤を止めようとして、

その後の生き方の情報を集めていて驚いた。

助かった話しや民間療法の情報はあふれているのに

死に向かう事を選択する情報の少なさ。

そんな状況の中で、抗がん剤治療を止める決心をしたね。

 

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